せきのメカニズム
せきはなぜ起こるのでしょうか?
せきが起こるメカニズムは、主に2つの場合が考えられています。
異物やたんを外に出す防御反応としてのせき(図1)
せきは、ウイルス、細菌、ほこりなどの異物やそれらをからめとった粘液をたんとして外に出す働きをしています。
異物やたんが気道にあると、気道粘膜の神経が刺激を受けて、脳にあるせき中枢に伝えます。
刺激を受け取ったせき中枢は、呼吸を行う筋肉にせきを出す指令を送ることで、せきを発生させます。
この過程は、自然に備わっている防御反応です。
また、せき払いのようにのどが不快なときに意識的にせきを出すこともできます。
図1 異物やたんを外に出す防御反応としてのせき
病気によって引き起こされるせき(図2)
異物やたんがないにもかかわらず、さまざまな病気によって引き起こされる病的なせきも存在します。
病的なせきは、のどから気管支にかけての慢性的な炎症や胃酸の逆流によって神経に信号を送る物質が増えたり、神経自体が刺激に過敏になったりすることで、せき中枢に過剰に刺激が伝わって発生しています。
また、気道を取り囲む筋肉が収縮することで神経が刺激を受けて、せき中枢に作用する場合もあります。
図2 病気によって引き起こされるせき