原因となっている病気を特定することから始めます1)

せきが長引いてる場合は、原因となっている病気を特定するために、まずは問診、診察、胸部X線検査などの診療が行われます。

せきの原因となっている病気がわかった場合

せきの原因となっている病気がわかった場合は、それらに対する治療を行います。代表的なものとして、肺結核などの呼吸器感染症、肺がんなどの悪性疾患、ぜん息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、気管支拡張症、薬剤性肺障害、心不全、鼻副鼻腔疾患(アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎)などが挙げられます。

せきの原因となっている病気がわかった場合

せき以外の症状や異常がなく原因となっている病気がすぐにわからない場合

原因がすぐに特定できない場合は、頻度の高い病気から疑い、治療を開始します。代表的な病気としては、たんの量が多い場合は副鼻腔気管支症候群(SBS)、たんを伴わない、もしくはたんが少量、一過性の場合は、せきぜん息、アトピー咳嗽/喉頭アレルギー、胃食道逆流症(GERD)、感染後咳嗽が挙げられます。

せき以外の症状や異常がなく原因となっている病気がすぐにわからない場合

十分な治療を行ってもせきが残る場合

一部の患者さんでは、上記のような考えられる病気の治療を十分に行ってもせきが続く「難治性の慢性咳嗽」に該当するケースがあります。

十分な治療を行ってもせきが残る場合
引用文献
1) 咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019. 東京:メディカルレビュー社;2019.