咳止めにハチミツは効く?効果的な摂取の仕方とタイミング
2026年03月16日

「夜になると咳がひどくなって眠れない」、あるいは「子どもが咳き込んでいてつらそう」といった悩みをお持ちではありませんか。
代表的な方法は咳止め薬ですが、できるだけ自然由来のものでケアしたいと考える人もいるでしょう。
そこで注目されているのが、「ハチミツ」です。
古くから体に良いとされてきたハチミツですが、実は咳を和らげる効果については科学的な研究が行われています。
この記事では、ハチミツがなぜ咳に良いとされるのか、その理由や効果的な摂取方法、タイミングについて解説します。
咳止めにハチミツが良いとされる理由
のど飴にハチミツの成分が含まれているように、昔からハチミツは喉に良い食品として知られていました。
実際に、ハチミツに含まれる特有の成分や性質には、喉の不調を和らげる効果があるとされています。
ハチミツには天然の抗菌成分や保湿成分が含まれており、これらが喉の粘膜に浸透することで、痛みや不調を和らげる効果が得られるのです。
また、ハチミツはまったりとした「とろみ」のある食材です。
この粘り気のあるハチミツが喉の粘膜を覆うと、乾燥や空気中の刺激物質から喉を保護してくれます。
喉のイガイガ感や不快感が軽減されるのは、この抗菌成分や保湿成分、喉の粘膜を覆う作用によるものと考えられています。
こうした効果は、実際に行われた研究によってその可能性が証明されたものです。
海外の研究結果ですが、ハチミツに含まれる特定の成分が咳を抑える作用を示したという報告もあります。
2021年に行われた研究では、小児の咳に対し、ハチミツが咳止め薬やプラセボ(※)と比較して、咳の持続期間を短縮することが明らかになっています。
また、この研究では夜間の咳による苦しさを和らげる可能性についても触れられています。
大人に対しても、風邪などの感染症が治った後に続く咳(感染後咳嗽)の症状を和らげる効果があると研究結果では報告されています。
出典
- Honeybee products for the treatment and recovery from viral respiratory infections including SARS-COV-2: A rapid systematic review
Arentz S et al, Integrative Medicine Research.2021;10:100779
咳止めに効果的なハチミツの摂取方法
ハチミツの力を十分に引き出すためには、摂り方に工夫が必要です。
ここでは、効果的な摂取方法をいくつか紹介します。
ティースプーン1杯程度をそのままゆっくり舐める
ハチミツの効果を実感しつつ、より手軽に試せるのはハチミツをそのまま舐める方法です。
一般的には、大人はティースプーン1杯(約5ml)程度が目安です。
この1杯分のハチミツが喉をコーティングし、乾燥や刺激から守ってくれます。
ポイントは、ハチミツをすぐに飲み込んでしまわず、口の中でゆっくり溶かしながら舐めることです。
白湯や紅茶に溶かして飲む
ハチミツを温かい飲み物に溶かして飲むのもおすすめです。
湯気によって鼻や喉が潤ううえ、体を内側から温めることができます。
ただし沸騰するような温度の熱湯ではハチミツに含まれる酵素や栄養成分が壊れてしまうおそれがあるため、人肌から60℃程度までのお湯に溶かすようにしましょう。
また、ハーブティーなど、カフェインを含まない飲み物に混ぜて飲むと、リラックス効果も期待できます。
大根と合わせる
喉の痛みがひどいときは、大根と組み合わせてみましょう。
大根には消炎作用があるとされており、古くから民間療法として喉の痛みを和らげるために使われてきました。
ハチミツと大根おろしを混ぜ合わせたものを、ヨーグルトとあえると食べやすいです。
ハチミツに大根を一晩漬け込むと、ハチミツ大根のシロップが作れます。
そのまま口にしても良いですし、炭酸水やお湯で割ってドリンクとしても楽しめますよ。
より咳止めに効く摂取のタイミング
ハチミツを摂取するタイミングを工夫することで、喉のケアがより効果的になります。
特におすすめなのが「就寝前」です。寝る前のタイミングが良いとされる理由は主に二つあります。
一つ目は、睡眠中の喉の乾燥を防ぐためです。
就寝中は唾液の分泌が減るため、口の中や喉が乾燥しやすくなります。
さらに、口呼吸は冷たく乾いた空気が口から喉に直接入ってしまうので、咳が悪化する原因となります。
寝る前にハチミツを摂取して喉を潤しておくことで、夜間の咳き込みや、朝起きたときの喉の痛みを和らげてくれます。
二つ目は、ハチミツを喉に留めておくためです。
食事中や日中に摂取すると、摂った後の飲食や会話によってハチミツがすぐに流れてしまう可能性があります。
飲食や会話をしない就寝の前に摂ることで、ハチミツによるコーティング効果が長く続くのです。
※ハチミツは糖分を含んでいるため、口の中に多く含んだまま寝てしまうと虫歯の原因になります。摂取後は軽く口をゆすぐか、歯磨きするようにしましょう。歯磨きをしても、有効成分はある程度喉に残ると考えられています。
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ハチミツを摂取する際の注意点
体に優しいハチミツですが、摂取する際にはいくつか注意しなければならない点があります。
特に赤ちゃんがいるご家庭では、必ず確認してください。
【注意!】1歳未満の乳児に与えない
1歳未満の乳児には絶対にハチミツを与えてはいけません。
ハチミツには「ボツリヌス菌」という細菌の芽胞が含まれていることがあります。大人の腸内環境であれば問題ありませんが、腸内環境が未熟な乳児が摂取すると、体内で菌が増殖し「乳児ボツリヌス症」を発症するおそれがあるのです。
ボツリヌス菌が腸内で増えて毒素を出し、便秘やほ乳力の低下、元気の消失、泣き声の変化、首のすわりが悪くなる、といった症状を引き起こします。
最悪の場合、命に関わることもあるため、ハチミツそのものはもちろん、ハチミツが含まれたお菓子や飲み物も与えないようにしましょう。
出典
1日の摂取量に気を付ける
ハチミツは健康に良い食品ですが、主成分はブドウ糖や果糖などの糖分です。
カロリーもそれなりにあるため、体に良いからといってたくさん食べ過ぎると、糖分を摂りすぎてしまいます。
1日の摂取量は大さじ1~2杯程度を目安にし、適量を守りましょう。
アレルギー反応が出たら摂取をやめる
ハチミツは自然由来の食品のため、微量の花粉や蜂の分泌物が含まれています。
こうした分泌物が、人によってはアレルギー反応を引き起こすことがあるのです。
特に植物や花粉にアレルギーがある方は注意が必要です。
ハチミツを食べた後に、口の中や喉にかゆみなどの違和感が出た場合は、すぐに摂取を控えて様子を見るか、医師に相談してください。
咳が長引く場合に疑われる主な病気
ハチミツによるケアや市販薬を試しても咳が治まらない場合、治療が必要な病気が隠れている可能性があります。
ここでは、咳が長引く場合に疑われる主な病気を紹介します。
咳喘息(せきぜんそく)
咳喘息は、一般的な喘息のような「ゼーゼー・ヒューヒュー」という音(喘鳴)や息苦しさを伴わず、咳だけが慢性的に続く病気です。
気道がアレルギーや冷たい空気などの刺激に対して過敏になっており、咳の反応が出やすい状態です。
咳喘息は治療せずに放置すると、人によっては気管支喘息へ移行すると言われています。
一般的に咳喘息の治療には通常、気管支拡張薬や吸入ステロイド薬などが用いられます。
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アトピー咳嗽
アトピー咳嗽は、アレルギー体質が関係しており、喘鳴や呼吸困難を伴わずに乾いた咳が続く病気です。
エアコンの風、タバコの煙、会話、ストレスなどが刺激となって咳が誘発されます。喉のイガイガ感やかゆみを伴うことが多い特徴があります。
胃食道逆流症(いしょくどうぎゃくりゅうしょう)
胃食道逆流症は、胃酸などの胃の内容物が食道へ逆流し、その刺激によって咳が引き起こされる病気です。
胸やけや、酸っぱい液体がこみ上げてくる「呑酸(どんさん)」といった症状を伴うことが多いですが、咳だけが症状として表れることもあります。
胃食道逆流症の人は、咳が出やすい状況がやや特殊で、食後や就寝時などで横になったときに出やすいとされています。
ハチミツと咳に関連する「よくある質問」
最後に、ハチミツと咳の関係について、よくある疑問をQ&A形式で解説します。
ハチミツは本当に咳に効く?
ハチミツには喉を保護し、炎症を抑える効果が期待されています。
実際に、特定の成分が咳を抑える作用を示したという報告や、子どもの咳を緩和するのに役立つ可能性を示した研究もあります。
咳を抑えたいときはどれくらいのハチミツを摂れば良い?
一般的に、大人はティースプーン1杯程度が適量とされています。
実験ではティースプーン2杯程度に相当する量を口にしている例もありますが、家でハチミツを口にする場合は糖分摂取量なども考慮し、ティースプーン1杯前後を目安にすると良いでしょう。
ハチミツは喉の痛みにも効く?
ハチミツは喉の痛みの緩和にも効果が期待できます。
ハチミツの粘性が喉の粘膜を覆って保護するほか、抗菌作用や抗炎症作用によって、風邪の初期症状や喉の痛みを和らげる効果があります。
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その咳、慢性咳嗽(まんせいがいそう)かもしれません
咳が8週間以上長引いている状態を「慢性咳嗽(まんせいがいそう)」と呼び、決して年単位で続いているものだけが「慢性」ではありません。その原因は個人によって異なり、原因が特定できれば治療・対処できるかもしれません。詳しくは、「慢性咳嗽とは?」をご覧いただき、咳で困っている場合は最寄りの病院やクリニックに相談ください。
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長引く咳には、
病気が隠れているかも
しれません。
放っておくと重症化する可能性がありますので、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
専門医が原因を特定し、あなたに合った治療法を提案します。いますぐ最適な医療機関を検索しましょう。
症状を上手く伝えられず、治療につながっていない方もいるかもしれません。そんな方は受診サポートシート(保存可能)もご活用ください。



